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パブリックコメント11〜根保証

第17 保証債務 5 根保証

(1)民法第465条の2(極度額)及び第465条の4(元本確定事由)の規律の適用範囲を拡大し,保証人が個人である根保証契約一般に適用するものとする。
(2)民法第465条の3(元本確定期日)の規律の適用範囲を上記(1)と同様に拡大するかどうかについて,引き続き検討する。   
(3)一定の特別な事情がある場合に根保証契約の保証人が主たる債務の元本の確定を請求することができるものとするかどうかについて,引き続き検討する。
 
【意見の趣旨】

1 現行民法の貸金等根保証契約に関する規定のうち,第465条の2ないし第465条の4の規定について,保証人が個人である根保証契約一般に適用すべきである。

2 次の規定を設けるべきである。 
第○条
保証人が個人である根保証契約につき,次の場合には,保証人は,主たる債務の元本の確定を請求できるものとする。 
(1)主債務者に想定外の信用状況の悪化が生じたとき
(2)保証人と債務者との信頼関係が破綻したとき 
  
【意見の理由】

1 保証契約,その中でも特に根保証契約については,従来より,その責任の広汎さ及び保証期間が長期にわたることが問題とされてきた。

 現行民法にある根保証契約に関する規定は,保証人が個人であり貸金等債務を含む根保証契約に関する(民法第465条の2ないし第465条の4)3条のみであり,その他は,雇用・労働契約に伴う身元保証について適用される特別法「身元保証ニ関スル法律」があるのみであり,一般の根保証契約については何の規定もない。

 貸金等債務及び雇用・労働契約に伴う身元保証と一般の根保証との間に,冒頭で述べた問題点につき差異があるとは考えにくい。   

 そうであるなら,意見の趣旨1のとおり,民法第465条の2ないし第465条の4の規定について,貸金等債務の限定を解除し,保証人が個人である根保証契約一般に適用して,保証人の保護を図るべきである。

2 元本確定期日の規定を根保証契約一般に拡大することについては,賃貸借契約が存続しているのに保証契約だけ終了するのは問題である,中小企業に対してその資金需要を満たすためクレジットカードを発行し代表者個人を根保証人としている実務があるが中小企業の利便性を損なう(補足説明1(2)223頁)など反対意見がある。

 賃貸借契約について,保証人を求める債権者(大家)側の意図を考えると,継続的契約において「どこの馬の骨か解らない」債務者(賃借人)と契約するに際し,賃料の確実な支払いや賃貸契約継続中の物件の適正な利用,退去時の身柄および動産の引き取りによる完全な明け渡しを保証人に求めていると思われる。

 アパート賃貸借契約は,1~3年程度の期間を定め,都度更新している場合が多いが,例えば最初の契約で保証人を付けて,契約期間満了または元本確定期日が到来するまでの数年間,賃料は毎回きちんと支払われ,物件の利用状況においても債務者に何らの落ち度も見られないということになれば,債権者にとって債務者は,契約当初の「どこの馬の骨か解らない債務者」ではなくなる。

 そうすると,更新後(元本確定後)の賃貸借契約において再度保証人を付ける必要性はなく,更新契約において保証人がいないという事実のみをもって,借地借家法第28条における正当事由に該当するとは言えない。

 法人のクレジットカードに代表者個人を根保証人としている実務については,クレジットカード自体に有効期限があるわけだから,例えばカード有効期限に合わせて根保証契約も元本確定し都度更新する等などすれば,さほど中小企業の利便性を損なうものではない。

3 【意見の趣旨】2の提案理由は,根保証契約締結時と比べ,著しい状況の変化が生じた場合に,根保証人に,担保すべき元本の確定請求権を与えることで,根保証契約から離脱する選択枝を与え,もって個人保証人の保護を図るものである。

 従来「特別解約権」として論じられてきたこの問題は判例も存するところであり、特別解約権が認められる場合とされる類型を明文化することは困難ではないはずである。また、既に発生した主債務についての保証責任を保証人は免れないのであるから、債権者にとって酷であるとも言えない。保証契約は情宜的な関係などから引き受けるものであり、その基礎となる信頼関係が破壊された場合には保証人には以後の債務負担からの離脱を認めるべきである。

 現在,医療,福祉施設への入院入所に関しては身元保証人,連帯保証人,身元引受人(以下「身元保証人等」という)などを求められるケースが多い。

 「身元保証人等」に求められる責任は,①入院入所者が債権者(医療福祉施設)に対して負担する金銭債務の保証,②退院退所時の身柄引受。であると考えられ,法的には,現在明文の規定がない一般の根保証契約にあたる。高齢社会の到来,経済状況の変化等の理由により,現在はこの「身元保証人等」を探すことが困難な人が多くなってきており,医療福祉契約の現場では,大きな問題となりつつある。既に述べたとおり、このような身元保証についても個人保証を原則禁止すべきと考えるが、入院入所契約に際し,「身元保証人等」を求める慣習を一切廃止し,損害保険等の別の担保手段をとるようになれば良いが,一朝一夕にはいかないのかもしれない。であるならば,次善の策として少しでも,根保証契約の問題点(保証人に対し過酷な点)を少しでも除去する規定を設けるべきである。



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