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パブリックコメント4〜居住用建物賃貸借契約における保証人

(2)居住用建物賃貸借契約における保証人

 建物賃貸借契約における賃貸人が保証人に求めているのも、必ずしも賃料支払い債務の履行とは言えないようである。保証会社の保証の上にさらに保証人を求めようとする動機から判断しても、賃貸人は、保証人に対し、むしろ、賃料支払い債務の履行ではなく、賃借人の死亡や行方不明時、または契約終了後の建物明渡しや残置物処理などの事実上の行為を求めていると思われる(※4)。

 そうであるなら、そうしたニーズに的確に応える仕組みを提供することのほうが、個人保証人を確保するよりも、賃貸人にとって好ましいものになると思われる。なお、独立行政法人都市再生機構(UR)は、昭和44年11月1日以降、建物賃貸借契約締結にあたり保証人が不要である。保証人不要という建物賃貸借契約が現に稼動していることは注目すべきである。ちなみに、URでは、滞納賃料及び遅延損害金、原状回復費用、不法使用による損害等を対象とする保険に加入しており、保証制度を廃止したことによるデメリットはないとのことである。(この点、民間の賃貸人向けに、入居者が貸室内で死亡した場合の原状回復費用や空室期間の損害を補填する保険も商品化されているという報道がある(※5)。

 一方、個人保証を許容した場合、保証人のあてのない社会的弱者ほど、住居を確保できない結果を招来することになる。

 1996年にイスタンブールで開催された国連人間居住会議において発せられたイスタンブール宣言は、第7条で「われわれは貧困と差別を除去し、すべての人のための人権と基本的自由を擁護・促進し、教育・食物・生涯保健サービス、とりわけすべての人のための適切な住宅のような基本的な必要を供給することに、いっそう努めなければならない」とし、第8条で「われわれはすべての人と家族に不動産保有の法的保障・差別からの保護・低廉で適切な住宅への平等な機会を確かにする。あらゆる段階で公共・民間・非政府機関の共同による積極的参加を探求しなければならない」と定め、加盟国が「適切な」住宅の確保に努めるべきことを宣言している。わが国は、これに署名をしている(※6)。

 住まいの確保は、人権としての居住権保障のために実施されるべき国家の住宅政策であるべきである。したがって、保証人のあてがないことによって住まいを確保できないなどという事態が生じることは、国の無策を晒しているのも同然ということになる。住まいを確保することが重要だから居住用建物賃貸借契約締結に支障がないようにという配慮で、この分野の個人保証を許容するという発想は、人権保障を個人の責任に転嫁するものであって、そもそも許されるものではない。

 そうすると、すべての市民に適切な住まいが確保されるようにするためには、個人保証を無効とした上で、住宅政策としてこれを提供する側のニーズに合致した新たな制度を構築することを検討すべきである(※3)。

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