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パブリックコメント5

第17 保証 6 保証人保護の方策の拡充

(1)個人保証の制限
次に掲げる保証契約は、保証人が主たる債務者の[いわゆる経営者]であるものを除き、無効とするかどうかについて、引き続き検討する。
ア  主たる債権者の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(貸金等債務)が含まれる根保証であって、保証人が個人であるもの
イ 債務者が事業者である貸金等債務を主たる債務とする保証契約であって、保証人が個人であるもの

【意見の趣旨】
賛成である。ただし、個人保証を無効とする範囲をア及びイに限定すべきでない。さらに、[いわゆる経営者]を保証人保護の対象から除くべきではない。個人保証を原則無効とすべきである。


【意見の理由2】
 個人の保証人が生活の破綻に追い込まれるという事例が後を絶たないという被害実態は、 [いわゆる経営者]が保証人である場合も何ら変わるところはないのだから、これを保証人保護の対象から除くべきではない。むしろ、自殺者に関する調査において、「自ら起業した自営業者」は最初に悩みを抱えてから亡くなるまでの期間が2年と最短で、その約4割が連帯保証の問題を抱えていたことや、「事業を承継した自営業者」を含む自営業者は自殺前に専門機関等に相談した人の割合が比較的少ない、という報告がある(※7)ことからすると、これを社会問題と認識しその被害発生を真剣に食い止めようとするなら、経営者本人の保証を取ることは当たり前という従来の慣行を前提とした小手先の救済策を講じるのではなく、経営者の保証に依存しない新たな取引慣行を確立することを検討すべきである(※8)。

 一般に、金融機関が個人保証(経営者本人の保証)を求める理由として、1)経営者に対する規律付け(モラルハザードの防止)、2)個人資産による中小企業の信用力補完と債権保全の強化、3)中小企業と金融機関の情報の非対称性の解消が挙げられることがある。(※8)しかし、それらは、他の方法によって代替できると考えるべきであって、経営者本人の保証でなければならないわけではない。

 一方で、経営者本人の保証を求めることが、新規ビジネスの起業・事業承継・事業再編の障壁となっており、経済の発展を課題とする政策担当機関からも、経営者本人の保証を取って当然という慣行を根本的に見直す必要があるのではないかという指摘もある(※9)。

 以上のとおり、経営者も生活者として命とくらしを保護されるべき対象であることは疑いようがないのだから、保護すべき保証人の対象から除外すべきではない。取引の安定のためには、個人保証すべてを無効とする前提に立って、新たな仕組みを講じるべきである。

※1 平成24年7月29日開催シンポジウム「保証制度に代わる保証機能について考えよう!~地域で保証人がいらないシステム作りを~」(当会議主催)において、手術・入院の際、医院から定型的に身元保証人を求められたがこれを断り、「患者が医院や他の患者に迷惑をかけないことを、どうやって他人が保証できますか」などと医院の意図に寄り添いながら、惰性で前例を踏襲する愚かさを諭した事例の報告があった。
 また、静岡県浜松市にある公立病院の入院申込書兼入院保証書には「保証人は、患者本人の身元に関する一切のことについて引き受けます。」とあるところ、その意味は何かとの質問に対し「お亡くなりになったときのご遺体のお引取りです。」と回答された、との報告もあった。
※2 平成24年9月8日開催シンポジウム「保証人になってくれる人がいなくて困ったことはありませんか?~保証人がいらない、地域のシステム作りを考えよう~」(生活保護支援ネットワーク静岡主催)において、登壇した5名の就労・生活支援者、地域包括支援センターのケアマネージャー、児童養護施設施設長のうち、3名が自ら連帯保証人になっていると報告した。消費者法ニュース(消費者法ニュース発行会議)第94号2013.1発行150項以下
※3 伊賀市社会福祉協議会「地域福祉あんしん保証事業」の取組などが参考になる。
※4 保証人とは別に、賃借人の安否確認をする責任、賃借人から委任を受けて契約解除の合意をする・明け渡し及び原状回復をする・残置物の処理をする、等の責任を負う者(仮に「身元引受人」と呼称する)を設けているモデル契約書も存在する。
※5 毎日新聞2013.4.11朝刊
※6 「居住の貧困」本間義人(岩波新書)
※7 NPO法人自殺対策支援センターライフリンク実施の「自殺実態白書2013」、毎日新聞2013.4.2朝刊
※8 中小企業・金融庁「第1回中小企業における個人保証等の在り方研究会」事務局説明資料によれば、停止条件付保証契約(コベナンツ付融資)の活用や、ABL(流動資産担保融資)の活用、上乗せ金利の選択が検討されている。※9 中小企業庁・金融庁「第5回中小企業における個人保証等の在り方研究会」議事要旨には、事務局発言として「融資のリスクを極力抑えたいとする金融機関の考え方は十分理解できるが、わが国の金融・経済を取り巻く環境が著しく変化し、日本経済の活力を取り戻さなければならないという課題に直面する中で、個人保証を取ることは当然という考え方は見直す必要があるのではないか。」との記載がある。

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