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保証に関する意見書(全青司・5)

全国青年司法書士協議会 民法(債権関係)改正に関する意見書より

「保証」(5)

第5 新たに発生すると思われる問題とその対応策
1 合憲性判断
 契約の自由を含む経済的自由は,現在において,むしろ社会的に拘束を負ったものとして,法律による規制を広汎に受ける人権と理解されている(芦部信善・高橋和之補訂「憲法 第三版」岩波書店)。
 その判断は,規制の目的に応じて,消極目的規制と積極目的規制に区別され,いずれの規制も合憲性判断には「合理性」の基準が用いられるが,判例上,消極目的規制については,裁判所が規制の必要性・合理性及び「同じ目的を達成できる,より緩やかな規制手段」の有無を立法事実に基づいて審査する「厳格な合理性」の基準を用い,積極目的規制については,いわゆる「明白の原則」が用いられている(最判昭和50年4月30日,最判昭和47年11月22日など)。
 自然人保証を無効とする立法は,福祉国家の理念に基づいて,経済の調和のとれた発展を確保し,特に社会的・経済的弱者を保護するためになされる規制であり,社会・経済政策の一つとしてなされる規制だから,積極目的規制である(消極目的規制は,主として国民の生命及び健康に対する危険を防止若しくは除去ないし緩和するために課される規制)。したがって,合憲性を判断する合理性の基準は,「明白の原則」が用いられることになる。
 「明白の原則」とは,当該規制が著しく不合理であるとの明白な場合に限って違憲とする方法であり,立法府の広い裁量を認め,規制立法の「合理性」の有無の審査を緩やかに行うものであるから,自然人保証を無効とする立法が違憲と判断される可能性は極めて低いと言える。

2 事業者融資における,代表者・共同経営者のモラルハザード
これは,機関保証,場合によっては連帯債務,又は保険や法人格否認,詐害行為取消などで対応できる。

3 事業者融資において,融資審査が困難
 財務諸表が経営の実態を表していないことによって融資審査が困難であるとのリスクを保証人に負わせることが問題であると指摘した。これは,正確な財務諸表を整備することによってしか解決は図れない。さらに,具体的な事業計画書の提示を求めること,そして,債権者の側がその審査能力を高めることによって解決すべきである。

4 賃貸借契約の保証人確保
 賃料滞納状態において,賃貸人が主として求めるのは明渡しであって,滞納賃料の支払はそれほど高い要求ではないと思われる。現在の賃貸市場においては,習慣と化しているから保証人を求めているが,現状,明渡しが済めば保証人が責任を果たす場面はそれほど多くない。賃料滞納のリスクについては,自然人保証を廃止しても機関保証等で対応が可能であると思われるが,短期的には,資力がない人がアパートを借りにくくなる可能性があるため,経過措置を設けるなど,賃貸借市場の収縮が起きないよう配慮が必要である。

5 物上保証をどうするか。
 人が債権の担保となることに根本的な問題があるのであり,人が財産を債権の担保に提供することには当該問題は及ばない。したがって,物上保証を制限することは要しない。

6 断る自由を有する自然人等は制限の対象から除くか。
 自然人の保証を制限する趣旨は,その法的,社会的構造に由来するものであった。したがって,仮に断る自由を有する自然人,保証人として利益を有する自然人が存在するとしても,これを制限の対象から除くような制度とすべきではない。そのような自然人は,連帯債務者のように自ら契約当事者となるか,自らの財産の上に担保を設定することで,求める効果を得ることができる。

7 連帯債務などに置き換えることで脱法行為が容易に行われるのではないか。
 契約当事者になることと保証人になることでは,法的効果や意味に大きな差異がある。あえて契約当事者となることまで理解してその債務を負うというのなら,これを禁止することは適切ではない。もっとも,連帯債務者の一方のみが人的担保のメリットを享受するような契約など,実質的に保証と同視しうる場合については,無効とすべきである。

8 機関保証に問題はないか。
 建物賃貸借契約における保証会社が,不適切な賃料取立てや追い出しを行っていることが既に社会問題となっている。自然人保証を制限する結果として,機関保証の果たすべき役割は重要となる。したがって,機関保証に対して適切な規制を及ぼすことは不可欠と考える。

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