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パブリックコメント(4)

第3.各論(第12 保証債務(40頁以下)に対する意見)

1.保証債務の成立
(2) 保証契約締結の際における保証人保護の方策
【意見の趣旨】
1.適合性の原則(金融商品取引法40条、貸金業法16条3項等参照)を導入すべきである。
2.債権者に説明義務・情報提供義務を課し、義務違反には取消・解除権を認めるべきである。
3.保証契約書の交付を要件とするとともに、保証契約書交付から相当期間における保証人の撤回権を認めるべきである。
4.保証契約書については、重要事項について保証人が手書きすることを要件とするとともに、一定金額以上(例えば100万円以上)の保証契約については保証人本人が公証人のもとに出頭して作成する公正証書によることを要件とすべきである。
5.保証人の支払能力を超える過大な保証契約を禁止すべきである(貸金業法13条及び13条の2参照)。

【意見の理由】
1.適合性の原則導入について
 保証契約は他人のために一方的に債務だけを負担する利他性・無償性を有する契約であり、ハイリスク・ノーリターン取引であると言える。保証人の主債務者との人的関係(情誼性)や軽率・無知等につけ込んで行われる場合も多い。ハイリスクな金融商品取引については、「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘」が禁止されており(金融商品取引法40条1号)、また貸金業者が行う「貸付けの契約」(保証契約を含む(貸金業法2条2項))についても、同様に適合性の原則が導入されている(貸金業法16条3項))。後述の様に保証人保護のために債権者に保証人に対する説明義務・情報提供義務を課すべきであると考えるが、保証契約はその情誼性(あるいは未必性)から説明・情報提供を受けたとしてもなお保証契約を締結せざるを得ない場合が多い。そこでハイリスクな保証契約を締結すること自体がふさわしくない者(高齢者・無資力者等)については保証契約の締結自体を禁止すべきであり、適合性の原則を保証契約に導入すべきである。

2.説明義務・情報提供義務について
 今般の民法(債権関係)改正では、契約全般について説明義務・情報提供義務の導入が検討されていることは承知している。しかし、その帰趨は現時点では明らかではないし、また仮に契約全般について説明義務・情報提供義務が導入されるとしても、これを保証契約の類型に対応して具体化し、あるいは保証人保護の観点から強化したものとして、なお保証契約における説明義務・情報提供義務を導入すべきである。すでに金融庁は銀行等に対しては「主要行等向けの総合的な監督指針」等において、例えば「個人保証契約については、保証債務を負担するという意思を形成するだけでなく、その保証債務が実行されることによって自らが責任を負担することを受容する意思を形成するに足る説明を行うこととしているか。例えば、保証契約の形式的な内容にとどまらず、保証の法的効果とリスクについて、最悪のシナリオ即ち実際に保証債務を履行せざるを得ない事態を想定した説明を行うこととしているか」「経営に実質的に関与していない第三者と根保証契約を締結する場合には、契約締結後、保証人の要請があれば、定期的又は必要に応じて随時、被保証債務の残高・返済状況について情報を提供することとしているか」等の説明・情報提供を義義務づけている。保証契約の内容・意味合い・危険性という一般的な説明だけでなく、当該主債務者の資力・返済能力・過去の返済状況などについての情報提供を義務づけるべきである。貸主(業とする貸主)は主債務者より情報提供の同意を得て貸付等を行うことが通常であることに鑑みれば、守秘義務等の問題は実務的には起こらないと考えられる。なお、説明義務・情報提供義務違反の効力については、その義務違反がある場合には保証人の意思形成過程が歪められたと類型的に考えることができるから取消・解除権を付与することにより実効性を確保すべきであると考える。

3.書面交付要件及び撤回権
 平成16年改正により保証契約は書面でしなければその効力は生じないとされた(民法446条2項)。しかし、書面の交付までは要件とされていない。保証人の保証契約の内容を契約締結後も確認させ保証契約の内容をめぐる紛争を予防するためには書面の交付まで要件とすべきである。そして、保証契約の利他性・無償性・軽率性に鑑み、相当期間内での撤回権を定めるべきである(民法550条、特定商取引法9条参照)。これにより、保証人に熟慮期間を与えることにより軽率な保証契約を防止することができる(近時、インターネットにおいて保証人登録を募集する「保証人紹介ビジネス」被害が社会問題化している(国民生活センター2010年5月26日「借金をするとき、家を借りるとき、就職するとき… 保証人紹介ビジネスのトラブルにご注意!」参照)。なお、保証契約を慎重ならしめるとの趣旨からは書面は「電磁的記録」であってはならず民法446条3項は削除すべきである。

4.手書要件・公正証書要件
 軽率な保証契約を予防するためには保証契約の重要事項について手書きを要件とし、また一定額以上(例えば100万円以上)の保証契約は保証人自らが公証人のもとに出頭した上で作成される公正証書によることを要件とすることも検討すべきである(フランス民法・フランス消費法典・スイス債務法参照)。この点、SFCGなどの商工ローンでは保証人の被害が社会問題化したが、その多くは極度額を保証人自身に手書させたり、公正証書が作成され、むしろ公正証書が濫用されるという問題があった。しかしながら、契約書の自書にはなお軽率な保証契約を抑制する機能はあると考えられるし、公正証書については委任状による作成ではなく保証人本人が公証人役場に足を運びび、公証人のもとで契約書を作成するという過程が確保されるならば(貸金業法20条参照)、軽率な保証を予防する一定の機能は果たされると考える(公証人の教示義務については、日弁連2005年2月18日「公証人法の改正を求める意見書」参照)。

5.過大な保証の禁止(比例原則)
 保証人が保証債務の履行により生活基盤まで失ってしまうような、保証人の支払能力を超えた保証(過大な保証)は禁止し、これを超える保証は無効とすべきである(比例原則)。債権者は自らのリスクで主債務者と取引をするのが原則であり、これを安易に保証人に転嫁できる取引は公正ではない。情宜的な関係から自らは何らの利益も得ることなく、専ら主債務者のために保証人とならざるを得なかった者に対し、生活破壊を招くようなリスク転嫁を当然のごとく認めることは公正ではない。これまでも判例の中には信義則あるいは権利濫用により保証制限をしてきたものもあるが、フランス民法2301条及びフランス消費法典L.313-10条、L.341-4条が定める比例原則をわが国にも導入すべきである。貸金業法においては保証人を含む返済能力を超える過剰貸付を禁止しているが(貸金業法13条の2第1項。なお個人借主については原則年収の3分の1を超える個人過剰貸付を禁止している(同法13条の2第2項))、これを保証の一般ルールとして民法に導入すべきである。

以下(5)に続く

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