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個人保証契約無効論試案(その1)

保証被害対策全国会議では、個人保証の制度を廃止することをめざして、「個人保証契約無効論試案」を起案いたしました。本日より数回に分けて、その全文を掲載いたします。

個人保証契約無効論試案
                 2012(平成24)年10月27日
                 保証被害対策全国会議

                 (執筆者)司法書士 赤松 茂
                          同  金森耕治
                          同  榛葉隆雄
                        弁護士 辰巳裕規

1.はじめに
個人が保証人となる保証契約(以下、単に「保証契約」という)について私法上の効力を無効とする根拠として、公序良俗違反に類型的に該当し得る契約形態であること、合意の瑕疵を内在しやすい契約形態であること、を掲げることができる。
もちろん現民法の規定においても、事案によっては、直ちに公序良俗違反や合意の瑕疵等を根拠として否定される保証契約が存在するところであるが、保証契約から生じる問題を考える際には、個別事案としてだけでなく、先に掲げた保証契約無効の根拠が一般的に生じるものであるかという視点から、保証契約そのものへ類型的な適用について検討されなければならない。
そして、保証契約をめぐるトラブルと保証債務に起因する生活破壊を予防するためには、立法政策を講じる必要もある。
この点においても、事案によっては、具体的に生じたトラブルについて債務整理等をすることによって解決が図られているところであるが、保証契約から生じるトラブルの抜本的な救済や予防のためには、個別事案としてだけでなく、類型的な立法政策についても検討されなければならない。
これらを検討することにより、保証契約は、事案ごとの救済には限界があり、原則として禁止するべき契約類型であるということを示すことが本論の目的である。

2.公序良俗違反からのアプローチ
(1)暴利行為論
 相手の窮迫、軽率、無思慮、無経験等に乗じて不当な利益を得る行為は暴利行為として無効となる(大判昭和9年5月1日民集13巻875頁等)。この暴利行為については、民法(債権関係)改正においても公序良俗の現代化として、その明文化が検討されているところである(注1)。
 保証契約では、主債務者との関係では、保証人を立てない限り契約を締結しないとすることにより、契約締結を必要とする主債務者の窮迫に乗じていると言える。住まい・教育・医療・介護などのセーフティネットに関わる契約や生活や事業の継続のために緊急を有する融資の場面などでは債権者は主債務者の窮迫に乗じていると言える。また情宜的な保証人は主債務者の窮状を見捨てることができない関係に立たされている場合が多く、このような場合には保証人に実質的に断る自由がないのだから、主債務者のみならず保証人の窮迫に乗じているとも言える(保証契約の「情宜性」)。
 また、保証人はよもや自分に責任が負わされることはないであろうという前提で保証人となるのであり軽率・無思慮のままで保証契約を締結する場合が多い(保証契約の「未必性」「軽率性」)。個人である保証人は主債務者の履行能力やリスクを把握する知識・経験・能力は十分ではなく無経験である。従って、保証契約は保証人の軽率・無思慮・無経験に乗じる契約であると言える。
 そして、保証契約が主債務者との人的関係によって締結される場合には、通常、「対価関係」は存せず(保証契約の「無償性」)、保証人のみが一方的に債務を負担することになり、対価的均衡を欠いている。他方債権者は、本来、自ら負うべき主債務者による債務不履行リスクを保証人という他者に一方的に押しつけることができるのであり、一方的な利益を得ることになる。
 よって、保証契約には、類型的に潜在的な暴利行為該当性を見いだすことが出来るはずである。にもかかわらず、従来から保証契約は有効と解され、暴利行為を理由として類型的に保証契約を無効と判断されていない。比較法的にも保証契約を類型的に無効とする立法例は見当たらない。しかしながら、従来の解釈をもって直ちに保証契約は有効であると結論づけるのは性急であり、保証契約の有効性については、これらの潜在的な暴利行為該当性だけでなく、次に掲げる事項についても検討し、もう少し広い視点から俯瞰する必要がある。

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