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個人保証契約無効論試案(その2)

個人保証契約無効論試案
                 2012(平成24)年10月27日
                 保証被害対策全国会議

                 (執筆者)司法書士 赤松 茂
                          同  金森耕治
                          同  榛葉隆雄
                        弁護士 辰巳裕規

2.公序良俗違反からのアプローチ
(2)契約正義論
 そもそも「契約締結の自由」も全くの無制限ではなく、公序良俗や契約正義・公正の元で認められるものである。この「契約締結の自由」に関しては、民法(債権関係)改正においても契約自由の原則として、その明文化が検討されているものの、契約締結の自由を制限することについては、「どのような制約原理があるかについて共通の理解があるとは言えない上、それを条文化することも困難である」との補足説明が加えられている状況である(注2)。
賃貸マンションの所有者が、入居予定者が日本国籍を有していなかったことを理由として賃貸借契約の締結を拒絶したことにつき、入居予定者に対する不法行為責任を認めた裁判例もあるところ(京都地判平成19年10月2日最高裁判所ウェブサイト)、同様に、セーフティネットに関わる契約において保証人を立てられない者との契約を保証人が立てられないという理由で拒絶することは、契約正義・公正に反すると考えられる。
セーフティネットに関わる契約では、契約者の契約締結しない自由には限界があり、その契約が締結されなければ生死に関わるといった事態も生じ得るのであるから、このような契約においては、保証契約とセットでなければ締結しないという契約が自由に認められるものではなく、保証契約とのセットでの締結は制限されるべきであり、本来、保証契約なしでも締結されなければならないものである。例えば、公営住宅の入居において必ず保証人が必要とされている現状において、保証人を立てることができない者は住まいを確保することができないという問題があり、この問題は無縁化・少子化等によって、今後ますます顕在化すると思われる。
なお、このような視点から、民法(債権関係)改正においては、保証債務の部分だけでなく、契約に関する基本原則の部分でも、保証契約特有の問題点を意識した議論がなされるべきである。

(3)適合性原則違反
 判例では、証券会社の担当者が、顧客の意向と実情に反して、明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど、適合性原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせたときは、当該行為は不法行為法上も違法となると解されているところ(最判平成17年7月14日判タ1189号163頁)、この適合性原則は金融取引に関する契約に限られず、契約全般に広く適用されるべき概念である。
 保証契約においては、そもそも主債務者の債務履行能力や債務不履行のリスク、保証人が如何なる保証債務を負うことになるのかといったリスクを消費者である個人の保証人が把握することは、その知識・経験に照らして容易なことではない。一方、主債務者との人的関係によって保証人となった者は、通常、保証契約によって何の対価も取得しないのだから(保証契約の「無償性」)、保証契約はハイリスク・ノーリターンという危険な契約類型であり、とくに個人の保証人は、その適合性を欠く場合が多いと言える。


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