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個人保証契約無効論試案(その7)

個人保証契約無効論試案
                 2012(平成24)年10月27日
                 保証被害対策全国会議

                 (執筆者)司法書士 赤松 茂
                          同  金森耕治
                          同  榛葉隆雄
                        弁護士 辰巳裕規


5.まとめ
 保証人となることを頼まれた者が主債務者との人的関係によって保証人となる保証契約においては、保証人に実質的に保証契約を断る自由がなく、保証契約一般においても、公序良俗の様々な要素を含み、常に合意の瑕疵が内在しうるリスクを抱えた契約類型である。
 このような契約類型に対して、例えば、比例原則や説明義務といったピンポイントの手当だけで保証人の保護をすることは困難である。
 また、保証契約の存在は、保証人被害の根源となるだけでなく、保証人を立てることができない主債務者を社会的に排除することにもなりかねない。
 これらの諸問題の一つをもって、局所的に保証契約の是非を論じるのではなく、抜本的解決のためには、全ての問題を通して、いわば「合わせて一本」と考え、保証契約を原則として無効とするべきである。




(注1)
法制審議会民法(債権関係)部会資料27
第1 法律行為に関する通則
 1 法律行為の意義及び効力
 (2) 公序良俗違反の具体化
ア 公序良俗違反の具体化として暴利行為に関する規定を設けるかどうかに ついて、次のような考え方があり得るが、どのように考えるか。
【甲案】 公序良俗違反の具体的な一類型として、暴利行為に関する判例法理を明文化する方向で規定を設けるものとする。
【乙案】 暴利行為に関する規定を設けないものとする。
イ 仮に暴利行為に関する規定を設ける場合に、規定の内容として伝統的な判例の定式を採ると、次のような規定を設けることになる。
【甲-1案】 相手方の窮迫、軽率又は無経験に乗じて著しく過当な利益を獲得する法律行為は、無効とする旨の規定を設けるものとする。
これに対し、暴利行為の要件を見直す考え方がある。すなわち、「窮迫」という要件を具体化して「困窮又は緊急の必要」などとする考え方のほか、「従属状態」、「抑圧状態」、「信頼関係」、「経験の不足」、「知識の不足」を利用することを付け加えるべきであるとする考え方がある。
また、獲得する利益が著しく過当でなくても主観的要素と相関的に判断して不当といえる場合や、相手方の権利を侵害する場合も暴利行為に該当するとする考え方がある。
これらの考え方について、どのように考えるか。
ウ 暴利行為のほか、公序良俗違反の具体的な一類型として規定すべき準則があるか。

(注2)
法制審議会民法(債権関係)部会資料41
第1 契約に関する基本原則等
1 契約自由の原則
(1) 契約自由の原則のうち、①契約を締結し又は締結しない自由と②相手方を選択する自由を明文化するかどうかについては、次のような考え方があり得るが、どのように考えるか。
【甲案】 当事者は、契約を締結するかどうかを自由に決定することができる旨の規定を設けるものとする。
【乙案】 規定を設けないものとする。
(2) 契約自由の原則のうち、契約の内容を決定する自由を明文化するかどうかについては、次のような考え方があり得るが、どのように考えるか。
【甲案】 当事者は、契約の内容を自由に決定することができる旨の規定を設けるものとする。
【乙案】 当事者は、公序良俗に関する規定に反しない範囲で、契約の内容を自由に決定することができる旨の規定を設けるものとする。

(注3)
法制審議会民法(債権関係)部会資料36
第2保証債務
 8 保証人保護の方策の拡充
(2) 保証契約の締結の制限以外の保証人保護の方策
保証契約の締結の制限以外の保証人保護の方策として、次のような規定の全部又は一部を設けるという考え方があり得るが、どのように考えるか。
① 保証契約締結の際における保証人保護の方策
(a) 保証契約締結の際に、債権者に対して、保証人がその知識や経験に照らして保証の意味を理解するのに十分な説明(連帯保証の場合には連帯保証の効果など具体的な意味を理解するのに十分な説明)をすることを義務付ける旨の規定
(b) 保証契約締結の際に、債権者に対して、主債務者の資力に関する情報を保証人に提供することを義務付ける旨の規定
(後略)

(注4)
法制審議会民法(債権関係)部会第44回議事録
○山本(敬)幹事 (2)について、3点意見を述べたいと思います。
まず、(2)の①保証契約締結の際における保証人保護の方策についてですが、これは、平成16年改正がどのような趣旨で行われたかということの確認から始める必要があると思います。平成16年改正には、幾つかの目的があると思いますが、基本的には、保証契約を行う際のプロセスを多少なりとも整備しようという考え方によるのではないかと思います。
例えば、包括根保証を禁止して、極度額の定めを必ず置かなければならないとしておけば、慎重に契約をするはずである。あるいは、いつまでも元本が確定しないとすることは許されない。必ず5年ないし3年の期間で確定されるということにしておけば、更新の際に改めて慎重に考えることができるはずである。そのように言われて、要するに、この16年改正は、保証契約を禁圧するというよりは、保証人の意思形成を支えようという考え方でできていたのではないかと思います。ただ、そう理解するとしても、保証人が実際に契約するときに合理的な判断を行うためには、裏付けになるような情報等が必要になるはずなのですが、その点については、この平成16年改正では、全く考慮されないまま改正が行われました。そこに問題と限界があるのではないかと、①に関しては思います。
したがって、方向としては、保証契約締結する際に、債権者側に一定の説明義務を課した上で、その義務違反の結果、保証人の債務負担意思、あるいは責任負担意思に瑕疵が生じたときには、そのような広い意味での誤認による保証契約の取消しを正面から認めるべきではないかと思います。現行法でいいますと、錯誤ないしは沈黙による詐欺として構成せざるを得ないところですけれども、どちらにしても不確かなところが残ってくるとすれば、ここでむしろ債権者の説明義務を明確に定めた上で、少なくとも保証人が事業者に当たらない場合については、端的に誤認による取消しを明文で認めることにしてはどうかと思います。
(以下略)
○中井委員 (2)の点ですけれども、ここには各種義務付け等の提案を記載していただいていますが、その効果について、必ずしも明確に書かれていません。先ほど山本敬三幹事が御指摘のあった、説明義務ないし情報提供義務を怠った場合の効果ですけれども、かつて努力義務というところからスタートしたという御指摘もありました。これからは、そうではなくて、これは法的義務に是非高めていただいて、その上でそれを怠った場合、保証人の意思表示に瑕疵があるひとつの類型であるとして、特別の取消しを認める方向で検討を進めていただきたいと思っております。海外の資料についても御提供いただいたようですけれども、アメリカ等でも不実表示による規制を適用させて、取消しを認めているようにも読めますので、是非そのような方向で効果を考えていただきたいと思います。
(以下略)
○鹿野幹事 (前略)
 効果としましては、先ほどの手続的な保護に関わる説明義務については、その義務違反を一定の要件の下で取消しに結びつけるということでよいと思います(以下略)

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