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パブリックコメント7〜主たる債務の履行状況に関する情報提供義務

第17 保証 6 保証人保護の方策の拡充

(3)主たる債務の履行状況に関する情報提供義務
 事業者である債権者が,個人を保証人とする保証契約を締結した場合には,保証人に対し,以下のような説明義務を負うものとし,債権者がこれを怠ったときは,その義務を怠っている間に発生した遅延損害金に係る保証債務の履行を請求することができないものとするかどうかについて,引き続き検討する。

ア 債権者は,保証人から照会があったときは,保証人に対し,遅滞なく主たる債務の残額,延滞の有無[その他の履行の状況]を通知しなければならないものとする。
イ 債権者は,主たる債務の履行が遅滞したときは,保証人に対し,直ちにその事実を通知しなければならないものとする。

【意見の趣旨】
 主たる債務の履行状況に関する情報提供義務を設けるべきであるが、債権者を事業者に限らず、また義務違反による効果は期限の利益を喪失しないものとすべきである。

 具体的には、期限の民法第1編第5章第5節の特則を設け,債権者が保証契約を締結した場合の保証人については,債権者が主たる債務の履行状況に関する情報提供義務を履行し,かつ,保証債務の履行の催告をするまでは,保証人は,当該保証債務の期限の利益を喪失しないとすべきである。

【意見の理由】
 債権者が事業者であるか否かは、保証人にとっては無関係であり、保証人を保護する規定を設けるのであれば、債権者の属性を事業者に限定することを要件とすべきではない。

 また、保証人に請求される場合には,(実務上,連帯保証人といえども,)主たる債務者の履行が遅延し,期限の利益を喪失したとして,一括払いの請求となる。つまり,保証人には,期限の利益はなく,常に一括払いの資力が求められているといえ,保証人被害を一層過酷なものとしている。たとえ遅延損害金の請求について制限を設けたとしても,強硬な債権者は依然として一括払いを請求してくるものと危惧されるのだから,かかる保証人被害を抜本的に見直すためには,主たる債務の期限の利益と保証債務の期限の利益とを別にするという立法措置を講じる必要があると考えられる。

 なお,主たる債務については期限の利益が喪失し,保証債務については期限の利益が喪失していないというケースにおいて,保証債務への弁済については,利息,元金の順に充当し,主たる債務への弁済については,遅延損害金,利息,元金の順に充当するといったように,それぞれの弁済の充当において調整されることを念頭に置いている。





パブリックコメント6〜契約締結時の説明義務

第17 保証 6 保証人保護の方策の拡充

(2)契約締結時の説明義務,情報提供義務
 事業者である債権者が,個人を保証人とする保証契約を締結しようとする場合には,保証人に対し,次のような事項を説明しなければならないものとし,債権者がこれを怠ったときは,保証人がその保証契約を取り消すことができるものとするかどうかについて,引き続き検討する。

ア 保証人は主たる債務者がその債務を履行しないときにその履行をする責任を負うこと。
イ 連帯保証である場合には,連帯保証人は催告の抗弁,検索の抗弁及び分別の利益を有しないこと。
ウ 主たる債務の内容(元本の額,利息・損害金の内容,条件・期限の定め等)
エ 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合には,主たる債務者の[信用状況]

【意見の趣旨】
 当会議としては、無限定の個人保証の無効を求めるものであるが、もし一部でも個人保証が残るとすれば、契約全般についての説明義務・情報提供義務とは別に、保証契約における説明義務・情報提供義務の規定を置くことに賛成する。但し、債権者を事業者に限らず、説明義務・情報提供義違反の効果は、取消すことができるものとすべきである。
 
 説明義務・情報提供義務の内容として、上記アからウについては賛成するが、エについては、委託を受けた保証人に限定せず、契約締結時に債権者が知り得た情報については情報提供義務の対象とするものとし、主たる債務者の収入、資産、総負債額、過去の返済状況、弁済計画等具体的に定めるべきである。

【意見の理由】
 契約締結時に、保証人になろうとする者が債権者から十分な説明・情報提供を受けることは、保証人に最悪の場合に負担することになるリスクを認識させ、保証契約の締結を慎重に行わせるための手段として重要である。債権者が事業者であるか否かは、保証人にとっては無関係であり、保証人を保護する規定を設けるのであれば、債権者の属性を事業者に限定することを要件とすべきではない。

 説明義務・情報提供義務違反の効力については、その義務違反がある場合には保証人の意思形成過程が歪められたと類型的に考えることができるから取消権を付与することにより実効性を確保すべきである。

 説明義務・情報提供義務を定める場合、その対象や説明すべき内容は保証人になろうとする者の合理的な意思形成を担保するものでなければならない。よって、保証契約の意味や主たる債務の内容を説明するのはもちろんのこと、どの程度保証債務履行の可能性があるのか、その危険性を認識するために必要な情報が提供されるべきである。主たる債務者の収入、資産、総負債額、過去の返済状況、弁済計画等は危険性を判断する上で重要な情報であり、情報提供義務の対象として具体的に定められなければならない。

 なお、保証人の意思形成過程を適正なものとする必要があるのは、委託を受けた保証人に限られず委託を受けない保証人にも同様にあてはまるから、委託を受けない保証人についても情報提供義務を課すべきである。守秘義務違反になるのではないかとの懸念については、貸し付け時に主債務者より情報提供の同意を得ることにより解決できると考える。



パブリックコメント5

第17 保証 6 保証人保護の方策の拡充

(1)個人保証の制限
次に掲げる保証契約は、保証人が主たる債務者の[いわゆる経営者]であるものを除き、無効とするかどうかについて、引き続き検討する。
ア  主たる債権者の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(貸金等債務)が含まれる根保証であって、保証人が個人であるもの
イ 債務者が事業者である貸金等債務を主たる債務とする保証契約であって、保証人が個人であるもの

【意見の趣旨】
賛成である。ただし、個人保証を無効とする範囲をア及びイに限定すべきでない。さらに、[いわゆる経営者]を保証人保護の対象から除くべきではない。個人保証を原則無効とすべきである。


【意見の理由2】
 個人の保証人が生活の破綻に追い込まれるという事例が後を絶たないという被害実態は、 [いわゆる経営者]が保証人である場合も何ら変わるところはないのだから、これを保証人保護の対象から除くべきではない。むしろ、自殺者に関する調査において、「自ら起業した自営業者」は最初に悩みを抱えてから亡くなるまでの期間が2年と最短で、その約4割が連帯保証の問題を抱えていたことや、「事業を承継した自営業者」を含む自営業者は自殺前に専門機関等に相談した人の割合が比較的少ない、という報告がある(※7)ことからすると、これを社会問題と認識しその被害発生を真剣に食い止めようとするなら、経営者本人の保証を取ることは当たり前という従来の慣行を前提とした小手先の救済策を講じるのではなく、経営者の保証に依存しない新たな取引慣行を確立することを検討すべきである(※8)。

 一般に、金融機関が個人保証(経営者本人の保証)を求める理由として、1)経営者に対する規律付け(モラルハザードの防止)、2)個人資産による中小企業の信用力補完と債権保全の強化、3)中小企業と金融機関の情報の非対称性の解消が挙げられることがある。(※8)しかし、それらは、他の方法によって代替できると考えるべきであって、経営者本人の保証でなければならないわけではない。

 一方で、経営者本人の保証を求めることが、新規ビジネスの起業・事業承継・事業再編の障壁となっており、経済の発展を課題とする政策担当機関からも、経営者本人の保証を取って当然という慣行を根本的に見直す必要があるのではないかという指摘もある(※9)。

 以上のとおり、経営者も生活者として命とくらしを保護されるべき対象であることは疑いようがないのだから、保護すべき保証人の対象から除外すべきではない。取引の安定のためには、個人保証すべてを無効とする前提に立って、新たな仕組みを講じるべきである。

※1 平成24年7月29日開催シンポジウム「保証制度に代わる保証機能について考えよう!~地域で保証人がいらないシステム作りを~」(当会議主催)において、手術・入院の際、医院から定型的に身元保証人を求められたがこれを断り、「患者が医院や他の患者に迷惑をかけないことを、どうやって他人が保証できますか」などと医院の意図に寄り添いながら、惰性で前例を踏襲する愚かさを諭した事例の報告があった。
 また、静岡県浜松市にある公立病院の入院申込書兼入院保証書には「保証人は、患者本人の身元に関する一切のことについて引き受けます。」とあるところ、その意味は何かとの質問に対し「お亡くなりになったときのご遺体のお引取りです。」と回答された、との報告もあった。
※2 平成24年9月8日開催シンポジウム「保証人になってくれる人がいなくて困ったことはありませんか?~保証人がいらない、地域のシステム作りを考えよう~」(生活保護支援ネットワーク静岡主催)において、登壇した5名の就労・生活支援者、地域包括支援センターのケアマネージャー、児童養護施設施設長のうち、3名が自ら連帯保証人になっていると報告した。消費者法ニュース(消費者法ニュース発行会議)第94号2013.1発行150項以下
※3 伊賀市社会福祉協議会「地域福祉あんしん保証事業」の取組などが参考になる。
※4 保証人とは別に、賃借人の安否確認をする責任、賃借人から委任を受けて契約解除の合意をする・明け渡し及び原状回復をする・残置物の処理をする、等の責任を負う者(仮に「身元引受人」と呼称する)を設けているモデル契約書も存在する。
※5 毎日新聞2013.4.11朝刊
※6 「居住の貧困」本間義人(岩波新書)
※7 NPO法人自殺対策支援センターライフリンク実施の「自殺実態白書2013」、毎日新聞2013.4.2朝刊
※8 中小企業・金融庁「第1回中小企業における個人保証等の在り方研究会」事務局説明資料によれば、停止条件付保証契約(コベナンツ付融資)の活用や、ABL(流動資産担保融資)の活用、上乗せ金利の選択が検討されている。※9 中小企業庁・金融庁「第5回中小企業における個人保証等の在り方研究会」議事要旨には、事務局発言として「融資のリスクを極力抑えたいとする金融機関の考え方は十分理解できるが、わが国の金融・経済を取り巻く環境が著しく変化し、日本経済の活力を取り戻さなければならないという課題に直面する中で、個人保証を取ることは当然という考え方は見直す必要があるのではないか。」との記載がある。

パブリックコメント4〜居住用建物賃貸借契約における保証人

(2)居住用建物賃貸借契約における保証人

 建物賃貸借契約における賃貸人が保証人に求めているのも、必ずしも賃料支払い債務の履行とは言えないようである。保証会社の保証の上にさらに保証人を求めようとする動機から判断しても、賃貸人は、保証人に対し、むしろ、賃料支払い債務の履行ではなく、賃借人の死亡や行方不明時、または契約終了後の建物明渡しや残置物処理などの事実上の行為を求めていると思われる(※4)。

 そうであるなら、そうしたニーズに的確に応える仕組みを提供することのほうが、個人保証人を確保するよりも、賃貸人にとって好ましいものになると思われる。なお、独立行政法人都市再生機構(UR)は、昭和44年11月1日以降、建物賃貸借契約締結にあたり保証人が不要である。保証人不要という建物賃貸借契約が現に稼動していることは注目すべきである。ちなみに、URでは、滞納賃料及び遅延損害金、原状回復費用、不法使用による損害等を対象とする保険に加入しており、保証制度を廃止したことによるデメリットはないとのことである。(この点、民間の賃貸人向けに、入居者が貸室内で死亡した場合の原状回復費用や空室期間の損害を補填する保険も商品化されているという報道がある(※5)。

 一方、個人保証を許容した場合、保証人のあてのない社会的弱者ほど、住居を確保できない結果を招来することになる。

 1996年にイスタンブールで開催された国連人間居住会議において発せられたイスタンブール宣言は、第7条で「われわれは貧困と差別を除去し、すべての人のための人権と基本的自由を擁護・促進し、教育・食物・生涯保健サービス、とりわけすべての人のための適切な住宅のような基本的な必要を供給することに、いっそう努めなければならない」とし、第8条で「われわれはすべての人と家族に不動産保有の法的保障・差別からの保護・低廉で適切な住宅への平等な機会を確かにする。あらゆる段階で公共・民間・非政府機関の共同による積極的参加を探求しなければならない」と定め、加盟国が「適切な」住宅の確保に努めるべきことを宣言している。わが国は、これに署名をしている(※6)。

 住まいの確保は、人権としての居住権保障のために実施されるべき国家の住宅政策であるべきである。したがって、保証人のあてがないことによって住まいを確保できないなどという事態が生じることは、国の無策を晒しているのも同然ということになる。住まいを確保することが重要だから居住用建物賃貸借契約締結に支障がないようにという配慮で、この分野の個人保証を許容するという発想は、人権保障を個人の責任に転嫁するものであって、そもそも許されるものではない。

 そうすると、すべての市民に適切な住まいが確保されるようにするためには、個人保証を無効とした上で、住宅政策としてこれを提供する側のニーズに合致した新たな制度を構築することを検討すべきである(※3)。

パブリックコメント3~介護・福祉・医療の現場における保証人

(1)介護・福祉・医療の現場における保証人

 介護・福祉・医療の関係で、保証人を求める側のニーズは、費用の不払いに対応する目的よりもむしろ、本人が死亡した場合のご遺体の引取りや、本人が退院・退所の要請に応じない場合の対処や、本人がトラブルを起こさないための心理的担保、という意味合いが強い(※1)。すなわち、「民法」に定める保証債務の内容及び「身元保証ニ関スル法律」に定める身元保証債務の内容と、保証を求める側のニーズは、合致していないのである。

 したがって、必ずしも保証人でなくとも、(従来混同して使用されがちであった保証人・身元保証人・身元引受人等という言葉を避けて新たに、例えば「おくりびと」という名称の役割を求めるとか、死後事務委任契約を活用するなど)地域において本人の後見的役割を担う仕組みを整えることができるのであれば、保証人を求める側のニーズは十分満たされるのである。

 一方、介護・福祉・医療の分野において個人保証を許容した場合、それらのサービスを必要とする者ほど、保証人のあてがないというジレンマに直面することになる。この場合に、保証人のあてがないことを理由に適正なサービスが受けられないなどという事態は、本来許されるものではないにもかかわらず、介護サービスが措置から契約へ大転換したことによって、現実には排除される事例が少なくない。中には、本人には保証人になってくれる親族や友人・知人がいないので、就労・生活支援者、ケアマネージャー、児童養護施設施設長等が、支援対象者の就職、施設入所、アパート入居に際して、自ら連帯保証人になっているという報告もあり(※2)、新たな社会問題を誘発しかねない状況である。(この点、厚生労働省が平成19年7月1日から「身元保証人確保対策事業実施要綱」を実施し、適当な保証人がなく施設長等が保証人になった場合、保証人に生じた損害の補填について対策していることは、制度の矛盾を象徴している。)

 国家が政策的に、介護サービスの提供を措置から契約に転換した以上、介護や医療を必要とするのに保証人のあてがないために契約から排除される者が現われることのないよう制度の整備を図る責務がある。そのためには、個人保証を無効とした上で、サービスを提供する側のニーズに合致した新たな地域の仕組みを構築することを検討すべきである。(※3)


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保証制度の改正に向けて、意見の提言や改正のための運動に取り組んでいきます。

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